何度も言うが、海老フライを捨てるな！！

昨日書いたアニメ「シャッフル」を、全話見たばかりですが　もう一度見直してみました。

やはり、気になるのは楓と稟の関係です。

ネタバレを含むので、これから見たいと思う人は、この記事を読まない方が良いかもしれません。

もともと見るつもりが無い人や、もう見終わった人は　普通に進んで下さい。

もう一度見て一番印象に残ったのは、２１話前半の楓と稟のやり取りのシーンです。

楓（かえで）と稟（りん）は、いわゆる幼馴染の男女関係です。

幼少期に楓は稟に酷い仕打ちを繰り返し、その行為を楓は後悔します。

その過去の行為を償うため、高校生となった今、楓は稟の身の周りの世話をする事にします。

炊事・洗濯など、自分の身を削ってまでも稟に尽くします。

この稟に尽くすという行為が日常化し、楓にとっての生甲斐となっていきます。

しかし、稟に恋人ができる事により、事態が変わります。

稟が自分の恋愛に夢中になり、楓は稟に必要とされているという実感が失われて行きます。

これがきっかけで楓の様子が変になり、それに気付いた稟は

楓の「稟に尽くしたい」という依存心を断つために、楓から自立する主旨を伝えます。

その直後の会話です。


楓「私が嫌いになったんですか？」

稟「そうじゃない」

楓「私に至らない所があれば、直しますから…　お料理だって、稟くんが好きな物をもっと勉強して、
　もっともっと上手くなります。ですから…、この家を出ていくなんて言わないで下さい」

稟「そうじゃないんだ」

楓「亜沙先輩の事ですか？それなら、私は全然別に…」

稟「そうじゃないんだよ」

楓「私は、稟くんのお世話をしていられれば良いんです。稟くんの為に御飯を作って、稟くんの為にお洗濯して」

（途中略）

楓「私は、稟くんに尽くす事だけが生甲斐なんです。稟くんだけが…」

（途中略）

楓「お願いです、出て行かないで…。私の前から居なくならないで下さい。稟くん…」


以前書いた、Windみなも問い詰めシーンに通じるものがあると思います。　女のエゴというか……

最初は楓が可哀想に思えたのですが、何度かこのシーンだけを繰り返し見る事により、考えは変わりました。

恋愛ドラマなどでよく見かける、女性が振られて「私を捨てないで！」と呼び止めるシーンによく似ています。

「稟くんに尽くす事だけが生甲斐なんです」と言う通り、稟の存在に依存している面があります。

酒や煙草だけでなく、仕事、趣味など　人間は何かしら依存する部分があるのは事実です。

しかし、今回の依存対象は「稟くんに尽くす」という人間関係です。

人間関係というのは簡単に損なわれるため、過度に依存するという行為は危険です。

その危険に気付いたため、稟はその依存を断とうとしたのだと思います。

そのため、稟の家を出るという主旨を伝えたのは、正しい判断だったと思えるのです。

「楓が落ち付くまで、一旦言うのを待つべきだ！」という意見も見られたのですが、

いずれ楓との関係を断つ日が来るのは明白で、ただぬか喜びをさせるだけになります。

時期をずらす事で、稟がトラブルを目の当たりにする可能性は減るでしょうが、楓の負担は変わりません。

冷たいかもしれませんが、傷つけない事だけが本当の優しさだとは限らない……と思うのです。


少し話がずれますが、楓が稟に居て欲しいという願いは、あくまで人間関係の依存であって

一般に言う「人を好きになる」という感情とは、違うものである気がします。

もちろん、好きか嫌いかと言われれば好きなのでしょうし、それとは別に恋愛感情はあったかもしれません。


僕がこのように感じただけで、本来の意図する内容と違うかもしれませんが、

僕自身はこのアニメを見て、以上のように読み取りました。


・追記

あの後で調べたら、こういうのを共依存というらしいです。

NHKの岬ちゃんも、同様のタイプでしたね。

シャッフルメモリーズの７話が、ちょうど１９話～２１話の総集編みたいになってました。

ちょっと前後関係が分かり難い部分もあるけど、上記の事を踏まえつつ　これだけでも見るべし！

楓と稟の過去に関しては、コチラを見るべし　シャッフルメモリーズ　２話前半　２話後半


シャッフルメモリーズの楓編ED曲が、このアニメを見終わった後に聞くと泣けてきます。

　たった一人の～ (only one!)　あなたのために～ (only love!) 　今の私に何が出来る～？

上でも書いた通り、楓の依存体質には問題があるし、稟の判断も正しいと思う。

それでも、懸命に尽くした楓に対して酷な結末が待っていると知ると、悲しくてたまらない。

エロゲ原作のアニメの曲を聞いて泣くなんて、僕も本当にキモくなったもんです。